「民藝」とは、民衆的工藝の略語。
柳宗悦、浜田庄司、河井寛次郎らによって大正14年に新しく作られた言葉。 毎日使う実用品にこそ美が必要という考えのもと、人間がごく自然に求める一番素直な形や状態、つまり人体でいえば健康的で正常な状態が表す「健康の美」を求めた。 「日々の生活に美の喜びが伴わなければ、美はますます我々から遠のいてしまう。 本来、日本人にとって美と生活は、一体化していたはずである。」 柳宗悦は、非常に優れた「眼の人」であり、先入観を持たず素直にモノと対峙し、感じたままを言葉にする「直観(と呼んだ)」を大事にした。 それは知識や先入観を加えずに、対象を感覚で直接とらえること、物と眼の間に何ものもはさまず、無心に物を観るということ。 宗悦が民衆の生活の中に美を見出し、民藝運動へと発展させていったのも、この直観によるもの。 決して理論や知識によって民藝の美を発見したのではなかった。 自由な目の働きが、民藝運動以前は下手物や雑器などと呼ばれ、さげすまれていた民藝品から美を感じ取ったのである。
by aknrkym
| 2006-04-29 19:40
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