種族としての人類の定義には様々の仮説があって、学名としての定着した「ホモ・サピエンス=知恵ある者」以外に、「ホモ・ファベル=道具を使う者」「ホモ・ルーデンス=遊ぶ者」「ホモ・ウ゛ィアトゥール=旅する者」などがある。
建築家清家清は「壊れたとき、もうひとつ同じモノを手に入れることができるのがデザイン。二度と同じモノを手に入れられないのがクラフト」と述べている。 前者が製造プロセスの初期行程として製品の形態を定める行為であるのに対して、後者は加工しながら形態を考える手工芸の産物とみなし、双方を対比する考え方である。 本来デザインはセンスの問題。実生活に必要なモノをつくり出すために知性を中心に捉え、心と技術を結び合わせた活動である。また、その内容は、自然科学・社会科学・人文科学などあらゆる科学に対応している。 デザインは本来、何よりも美しさを求める行為でなければならない。デザインが広義の芸術の一種ともみなされるのはそのためであり、工業設計としてのエンジニアリング・デザインは一般的なデザイン概念の範疇外となる。 トマス・アクィナスは、「芸術とは、眼に見えるか耳に聞こえるか、そのどちらかである」と言った。 プロダクト・デザインは日常生活に人々が用いる実用品を対象とする点で、ファイン・ア−トとは異なっている。 現代のプロダクツは科学技術によって量産性と情報性が甚だしく進展、大衆文明社会に巨大な影響力を有するに至った。しかしそれだからこそ、製品ビジョンを具体的な形に昇華するデザインの役割は一層重要となる。 今ではそれはモノの形の有り様を決定づける手段というよりは、モノそのものの在り方を定め、モノと人とのインタ−フェースを形成する要因でさえもある。 最近では、人間個々の生き方や自然と人間の共生関係をあらためて見つめ直し、生活デザインの方法論を再編する動きもある。そこでは個々の専門分野を超えた社会的機能が求められる。
by aknrkym
| 2005-11-29 01:09
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