〈カスティリオ−ニの住宅論〉
住宅のインテリア、つまり人の住む空間とは、他人である建築家、デザイナ−にできるものではない。 人の生活の場であるリビングルームというのは、頭ごなしのプランに基づくのではなく、各々の物がどのように利用されるかを考え、そこで生活するのに実際役に立つ物たちによって構成されている必要がある。 (1957年にコモ湖畔のビッラ・オルモで行われた「今日の家の色彩と形」展) ばらばらに集めた物(一部はそこらで見つけた物、一部は自分たちのデザインした製品)をただまとめることによってリビングルームを作ってみせた。 それがデザインオペレーションで、各々の物がきちんと機能し、しかも素敵な物であるなら、一切合切一つの部屋に入れてもよいのではないか。 これはいわゆる建築設計の否定である。しかし、イタリアの都市を見ると、一つの広場の周りにロマネスクあり、バロックあり、18世紀後半の様式あり、という具合に、そこでは各々が各々の機能のためにつくられている。 一つ一つ独自の歴史を持ち、自立している。 また、家というのは一挙にできるものではなく、時間をかけて少しずつそこに住む人の人生とともにつくられていくべきもの。 その人の歩み、交友、思い出、感情、そういったものの全てが時間という糸で織られていき、その網に様々なものが引っ掛かってくる。そこには建築家にもインテリアデザイナ−にもどうすることもできない何かがある。 建築よりも生活を中心に置き、一種即興的、偶発的自由さに身を任せる。
by aknrkym
| 2005-11-16 16:18
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