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広告 2010 April Vol.381 p14

ブリコラージュの思考

レヴィ=ストロースは、主著のひとつ『野生の思考』の冒頭で
ブリコラージュという概念に触れている。
フランス語で、日曜大工や器用仕事を意味するこの言葉を使って、
いわゆる未開社会における思考法を解き明かした。
西洋型の合理性が、理路整然とした計画にもとづいて部分から全体を完成してゆくのに対し、
ブリコラージュはありあわせの材料を組み合わせ、試行錯誤をつうじて作る思考である。
その特徴は、物事の抽象化を経ることなく、
観察の力と創意工夫によっていっきに立ち上げる思考法にあり、
これを「具体の科学」と呼んだ。
自然から人工をつくりだすための、もうひとつの科学。
(中略)
これとこれを組み合わせたら、面白いんじゃないか。
ブリコラージュの思考は、ひらめきと創意工夫という、
わたしたちがみな子どものころから持っている創造の喜びと直接つながっている。
美術や芸術以前の、つくることの本質がそこにある。
by aknrkym | 2010-04-11 05:45


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